東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1968年
公開日:1968年6月28日 併映「帰ってきた極道」
監督:石井輝男
企画:岡田茂 天尾完次
脚本:石井輝男 内田弘三
撮影:吉田貞次
照明:北口光三郎
録音:溝口正義
美術:矢田精治
音楽:八木正生
編集:神田忠男
助監督:本田達男
記録:石田照
装置:稲田源兵衛
装飾:山田久司
美粧:久斗敏厚
結髪:横田三佳代
衣裳:豊中健
振付:藤間勘真次
進行主任:俵坂孝宏
協力:琵琶湖汽船 亀岡ジャングル温泉 石川県粟津温泉
出演:吉田輝雄 橘ますみ 三島ゆり子 三原葉子 應蘭芳子
アメリカンビスタ カラー 89分
ある温泉の旅館・鶴亀荘で二つの芸者グループが火花を散らしていた。一方は舞、唄、三味線など芸事が出来る「温泉芸者」。そしてもう一方は昼間にマッサージ師として働く掛け持ちの芸者だ。座敷ではなく寝床で芸を披露する彼女たちを、温泉芸者は蔑んで「あんま芸者」と呼んでいた。ふた組は宴会場に通されると、温泉芸者の中で一番人気の金太郎が舞踊を披露し宿泊客の喝采を浴びた。するとあんま芸者の富丸たちはゴーゴーダンスで邪魔をするのだった。お気に入りの金太郎がコケにされたことでおもしろくない野毛親分は野球拳で勝負を決める提案をした。30人を超える壮大な野球拳の噂は館内に瞬く間に伝わり、興奮は最高潮に達した。
翌日、疲れて舟を漕ぎながらあんまする富丸に、宿泊客の黒島はどんな職業でも努力しなければ出世は出来ないぞと説教した。彼は汲み取り業者の社長で、発注先選定で便宜を図ってもらうために市の職員が慰安旅行を行っている旅館に先回りしたのだ。実業家として命を懸けた勝負のときなのだが、肝心の芸者が他の団体客と重なって手配することが出来ず頭を悩ませていた。そこへやってきた番頭は、もしよろしければお勧めできるシステムがございますと耳打ちした。本物の芸者よりも線香代が安く、マッサージからその他のアフターサービスまでつく芸者がいることを話すと、そういういいことを早く言わんかと黒島は飛び起きた。そこは富丸が所属するあんま芸者の置屋・浜中だった。宴会が始まり芸者たちとともに偶然を装って黒島が入ってくると、清掃部長の品川は怪訝な顔をした。黒島はいつもお世話になっているのだから野暮なことは言いっこなしですと煙に巻き、バキューム車9台分ぐらいのもんですからとさりげなく言った。するというと品川は商売のことを言うなんて野暮だと逆に返した。千代のことが気に入った品川の願いを叶えるためアフターサービスが出来る様、黒島は番頭に掛け合ったが、彼女だけは身が堅くてそれが出来ないことを知り困り果てた。急遽紹介してもらった雛奴をあてがうことにしたのだが、くじで品川が引いたのはガス臭い富丸だった。彼女は力むとおならをしてしまう癖があるのだ。品川は君の商売と関係あるんじゃないのかと黒島にクレームをつけ芸者を交換した。ところがその娘も冷えるとお腹を壊しやすいという欠点を持っていた。
一泊した黒島たちを見送るために港に集まったあんま芸者たち。すると到着したフェリーから降りてきたのは、富丸の恩師の横谷だった。彼女は横谷をいち早く見つけると、積もる話がたくさんあるから桟橋で待っててと告げ宿泊客たちを見送った。富丸は横谷が妻との結婚生活に絶望して逃げてきたことを知ると、御恩返しをさせてもらうから何でも言って欲しいと胸を叩いた。
屋台的映画館
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