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男はつらいよ 奮闘篇

  • posted at:2020-10-26
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよふんとうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年4月28日 併映「花も実もある為五郎」
監督:山田洋次
製作:斎藤次男
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:今関健一
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:長島勇治
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東京現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 榊原るみ 光本幸子 ミヤコ蝶々
シネマスコープ カラー 92分

雪深き春、集団就職で上京する学生と別れを惜しむ家族の姿を越後広瀬駅で見た車寅次郎は故郷が恋しくなった。その頃、葛飾柴又にある団子屋「とらや」の前に一台のハイヤーが停まった。降りてきたのは寅次郎の生みの親であるお菊だった。彼女が店を訪れるのは30年ぶりで、久しぶりに再会した竜造やつねは時の流れを感じた。お菊が突然きたのには理由があった。一年程前に寅次郎から届いた手紙には、近々嫁をもらうからいつでも遊びにきてくれと書いてあった。そこで一度その嫁の顔を見てみたいと思い、雑用を片付けてはるばる京都からやってきたのだ。さくらを嫁、満男を孫と勘違いする自らの騒動を笑い飛ばしたお菊はふと我に返り、嫁は一体何処にいるのかと尋ねた。竜造がこれまでの流れをさくらに説明すると、寅次郎が所帯を持とうとしたのが誰だったのか皆で考え始めた。だがその一年程の間にいろいろありすぎて結論は出ず、相も変わらず独身だと説明すると、お菊はそうですかとため息をついた。

お菊がハイヤーでホテルに戻ると、それと入れ替わるように寅次郎が機嫌よく帰ってきた。だが竜造の迎え方が気に食わないと怒り出し、もう二度と帰ってくるもんかと啖呵を切った。さくらが慌てて引き留めお菊がきていることを伝えたが、捨てた人を親と呼ぶことは出来ないと寅次郎は言った。そしてもう自分に帰るところはないと捨てゼリフを残して出て行こうとしたが、偶然幼馴染の冬子が通り掛かったことでいいところを見せようと態度を翻したのだった。その変わりように皆呆れ返ったが、これで寅次郎がお菊に会うものだと安心した。ところが彼の気持ちは凝り固まったままだったため竜造たちは何とかしようと説得を試みた。数日後、さくらは嫌がる寅次郎を夫・諏訪博が運転する車に無理矢理乗せてホテルに向かった。部屋に着くと寅次郎はトイレに直行し、その間にお菊は二年前にあったことをさくらに話した。そのときは落ち着いて話すことが出来なかったため、機会を作って東京にきたのだ。だが寅次郎はあれから一向に変わっておらず、むしろ拍車が掛かった馬鹿さ加減にお菊は頭を痛めた。思わずお前のところへくる嫁は例えどんな女であってもきてくれるだけでありがたいと思えと言ったが、それを聞いて怒ったのは寧ろさくらの方だった。お菊は自分が産んだ息子のせいで苦労を掛けるさくらを不憫に思い涙を流した。その日、とらやに戻った寅次郎は嫁探しに行ってくるとだけ竜造に伝えて出て行った。

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男はつらいよ 純情篇

  • posted at:2020-10-11
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよじゅんじょうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年1月15日 併映「やるぞみておれ為五郎」
監督:山田洋次
製作:小角恒雄
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:大嶺俊順
装置:若林六郎
装飾:町田武
進行:柴田忠
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東洋現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会 五島観光連盟 福江市 玉之浦町
出演:渥美清 若尾文子 倍賞千恵子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 89分

旅先の食堂で食事をしていた車寅次郎はテレビの画面に釘づけになった。公共放送では生まれ故郷である葛飾柴又の特集をしており、そこには帝釈天の御前様や若者の団子離れを嘆く叔父の竜造、妹のさくらとその子供の満男の姿が映ったからだ。その光景を懐かしく思う寅次郎は早速とらやに電話を掛けるが、10円玉の持ち合わせがなかったために言いたいことを伝える前に切れてしまった。途中下車した山口での出来事だった。

長崎の港に着いた寅次郎だったが、最終便が既に出航し明日まで五島行きの船が出ないと聞いてその先のことを決めかねていた。目の前には彼と同じように船に乗りそびれた赤ん坊連れの女性がいたため、その子が風邪をひくから早い所暖かい部屋に入った方がいいと声を掛けた。すると絹代は泊まる部屋代を貸してくださいと申し訳なさそうに言った。旅館に着くと彼女は夫の愚痴をこぼし、部屋代を体で返そうとした。そんな絹代の姿にさくらを重ねた寅次郎は心から同情し、仮に行きずりの男が妹に手を出すようなことがあれば俺はそいつを殺すと言った。翌日、福江市の港に着くと寅次郎はテキヤの仲間と一緒に仕事場へ向かおうとしたが、絹代がその場から動こうとしないため気になって声を掛けた。駆け落ち同然で家を出てきたため子供を連れて帰りづらいのだという。このまま放っておけない寅次郎は彼女の実家がある福江島まで送り届けることにしたが、絹江の父・千造は夫のもとへ帰れと言った。彼の話に感銘を受け失敗しても帰るところがあると思ううちは一人前になれないと悟った寅次郎だったが、自分を取り巻く人たちの顔が次々と思い浮かび故郷へ帰ることに決めた。

気分よくとらやを訪れた寅次郎だったが、叔父の竜造や叔母のつね、そして油を売りにきていた朝日印刷所の桂梅太郎社長までもが彼を見るなり浮かない顔をした。きっと何かを隠しているに違いないと感づいた寅次郎だったが、それが自分のいない間に部屋を他人に貸していたことだとわかるといじけて出て行こうとした。ところがその下宿人が目の覚めるような美人の明石夕子だと知り旅へ出るのを止めた。

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隠密同心 大江戸捜査網

  • posted at:2020-09-14
  • written by:砂月(すなつき)
おんみつどうしんおおえどそうさもう
東京12チャンネル
配給:東宝
製作年:1979年
公開日:1979年12月1日 併映「花街の母」
監督:森谷司郎
総指揮:国保徳丸
プロデューサー:元村武 小川清澄 内藤三郎
脚本:永原秀一
撮影:山田一夫
美術:川島泰造 大橋豊一
照明:嶋田宜代士
録音:片桐登司美
音楽:玉木宏樹
主題歌:「燃えよ夕陽」たきまさと
編集:井上親弥
殺陣:高倉英二
助監督:下村優
スチール:中尾孝
記録:照井鈴子
製作担当:飯田康之
企画協力:日産自動車グループ
製作協力:三船プロダクション
出演:松方弘樹 瑳川哲朗 土田早苗 かたせ梨乃 中村竹弥
スタンダード カラー 86分

寛永十一年秋、のどかな武州小牧村に突然代官所の役人がやってきた。彼らは村人を惨殺すると何事もなかったように去って行った。その頃、江戸の町では秋祭りが行われていた。桔梗屋板前の清次郎が櫓の上で景気良く太鼓を叩いていると血を流した男が倒れ込むのが見えた。左平次は襲われた村の生き残りで、目の前で起きた出来事を訴状にしたためて奉行所に訴えようとしたのだが、それを阻まれたのだった。清次郎は慌てて駆け寄ったがすぐに事切れたため何の手掛かりも得ることが出来なかった。むしゃくしゃしながら台所で魚をさばいていると、庭の地蔵に赤い鉢巻が巻かれていることに気づいた。その印は老中松平定信の命を受けた寄合席内藤勘解由が自らの配下隠密同心に発する緊急集合の合図だった。

隠密同心は清次郎こと左文字右京、井坂十蔵、稲妻のお竜、流れ星おりんで構成される。松平定信邸に用人稲村重兵衛と訪れたのは将軍徳川家斉の御落胤と称する信吾だった。十九歳の信吾は二年前に亡くなった側室お牧の方の子だと言い、証拠として葵の御紋が入った品々を持っていた。相手の要求通りに家斉との対面を実現させ、万が一その後で信吾が偽物だとわかれば定信が責任を取って腹を切らねばならなくなるのだ。勘解由が調べたところ重兵衛は一介の浪人者で信吾との関係がわからなかった。陰で糸引く黒幕がいるのではないかと右京が口にすると、十蔵は小牧村で起きた皆殺しの生き残りについて話し始めた。惨劇の後、村に入った十蔵は村人の数と死体の数が違うという役人たちの話を聞いた。それは左平次という中年者と信吉という若者で、若者の方は半年前に神隠しに遭ったのだという。その信吉が十九歳になることから彼が信吾と同一人物ではないかと考えたのだった。その後、五人が命を狙われたことで黒幕が隠密同心による探索を恐れていることがわかると、勘解由は右京たちに六日間で御落胤の正体を暴くよう命じた。

右京はお牧の方の実の父親を当たるが、大奥から逃げた娘の消息など知らぬと冷たくあしらわれた。おりんは宿下がりの大奥女中から話を聞こうとするが、正室からひどく憎まれていることもあり名前を聞いただけで逃げ出した。そうなると取る手段は一つ、大奥に保管されている役務日記を盗み見るのだ。書庫に忍び込んだお竜は該当する日記を見つけ出し、寛政九年十一月にお牧の方が死去した際、届け出をしたのがお牧の方付だった元奥女中の叔父に当たる庄屋の徳右衛門であることを突き止めた。

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男はつらいよ 望郷篇

  • posted at:2020-09-01
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよぼうきょうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1970年
公開日:1970年8月26日 併映「なにがなんでも為五郎」
監督:山田洋次
製作:小角恒雄
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:小尾幸魚
調音:松本隆司
音楽:山本直純
監督助手:宮崎晃
装置:小島勝男
装飾:町田武
進行:福山正幸
衣裳:東京衣裳
製作主任:峰順一
現像:東洋現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 長山藍子 井川比佐志 前田吟
シネマスコープ カラー 88分

叔父・竜造が倒れたという知らせを聞き急いでとらやに戻ったテキヤの車寅次郎。今わの際に後のことを頼むと言われた寅次郎だったが、竜造の寿命を縮めたのはいつも苦労を掛けてきた自分のせいだと責めた。旅館の女中に起こされ、それが夢だったことがわかると故郷に思いを馳せた。上野駅に到着すると早速とらやへ電話を掛けたのだが、寅次郎のおかげでいつも振り回されている叔母のつねは一度懲らしめてやろうと考え竜造が虫の息だと嘘をついた。それを聞いてショックを受けた寅次郎はタクシーを飛ばしてとらやに向かった。竜造は暑さに参って昼寝をしていたのだが、その姿を見て気落ちし帰る途中に葬式の手配をしてきたことをつねに話した。それが冗談だったとわかると寅次郎は憤慨し出て行こうとしたが、一緒に笑ったことに責任を感じた妹のさくらは思い止まらせようと説得した。

翌日、とらやに寅次郎の舎弟の川又登が訪ねてきた。札幌で世話になった正吉親分が死ぬ前に一目会いたいと言っているというのだ。恩返しとして一切の葬式を取り仕切りたいと考えた寅次郎だったが先立つ物はなし。油を売っていた朝日印刷の桂梅太郎社長に声を掛けるが用事を思い出したと言って逃げ出した。すると竜造もそれに乗じて逃げ出したのだった。困った寅次郎は最後の砦であるさくらのところへ行くが、先ずは日頃の行いを改めなさいと説教された。重みのある言葉に委縮する寅次郎。するとさくらはそっと一万円札を渡した。それは以前、寅次郎が飴でも買いなとさくらの子・満男のためにあげた金だった。彼は感謝を口にしながら部屋を出ると登とともに札幌へ向かった。

道内一円で羽振りを利かせていた正吉も今では小さな病院の大部屋にいた。世話する子分も一人だけで、その落ちぶれように寅次郎は驚きを隠せなかった。正吉には一度も顔を合わせたことがない私生児の息子がおり、その子に会って謝りたいと言ったことから、気持ちを汲んだ寅次郎はきっと連れてくるからと元気づけた。小樽の国鉄で蒸気機関車の機関助手をしていることを突き止めた寅次郎だったが、自分には関係のない話だと石田澄夫は突き放した。諦めきれない寅次郎が例え会ったことがなくても相手が実の父親なら会いたいと思うのが血の繋がった親子の人情だと説得すると、澄夫は小学一年生のときに一度会ったことがあると打ち明けた。父親がいることがわかり無性に会いたくなった澄夫は母親に内緒で汽車に乗り札幌へ行った。道を尋ねてようやく正吉がいる場所へたどり着いたがそこは赤線だった。正吉は泣いて謝る若い女性を何度も殴り、澄夫はそんな彼の姿が鬼に見えたため会わずに帰った。その五年後に母親は死んだが、正吉は香典ひとつ寄越さなかった。そんな男が死にそうだから息子に会って詫びたいと言っても許すことは出来なかったのだ。話を聞き終えた寅次郎は返す言葉がなかった。

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大笑い殿さま道中

  • posted at:2020-08-29
  • written by:砂月(すなつき)
おおわらいとのさまどうちゅう
東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1964年
公開日:1964年2月1日 併映「柔道一代 講道館の鬼」
監督:内出好吉
企画:神戸由美 俊藤浩滋
原案:野上竜雄
脚本:若井基成
撮影:羽田辰治
照明:中村清
録音:矢部吉三
美術:塚本隆治
編集:堀池幸三
音楽:小沢秀夫
助監督:原田隆司
記録:墨はつ子
装置:近藤幸一
装飾:清水悦夫
美粧:佐々木義一
結髪:西山節子
衣裳:荒堀実秋
擬斗:島義一
進行主任:中川卓磨
出演:藤田まこと 品川隆二 藤純子 山城新伍 芦屋雁之助
シネマスコープ モノクロ 82分

丹波篠山村生まれのチャッキリ藤太はスリで御用となり浜松藩代官所の牢に入れられた。ようやく刑期が終わり釈放されたが、牢番の馬吉からいってらっしゃいと声を掛けられた。それもそのはず藤太が牢に戻ってきたのはこれで十七回目だったからだ。もう二度と捕まるようなヘマはしないと心に誓った藤太は元手を稼ぐためにカモを見つけることにした。すると如何にも間抜けそうな男が往来に立っており、すれ違い様に懐から財布をいただくことにしたのだが、藤太が手にしたのは十手だった。目明しの甚六に追われ路地に逃げ込んだがついに追い詰められる藤太。そこで機転を利かし神妙にしろと十手を向けると長屋の住人は皆甚六の方が泥棒だと思いこんだのだった。騒動の中を逃げ出した藤太は屋敷の塀を乗り越えるが、目の前には馬吉が立っていた。なんとそこは代官所だった。馬吉はにこやかにお帰りなさいと言った。

藤太が牢でおとなしく考え事をしていると同業で捕まった金次が話し掛けてきた。口論となりどっちがスリの技術が上か馬吉を使って腕比べをすることになった。居眠りをしている馬吉に火事だと呼び掛け、寝ぼけて近づいてきたところを狙って財布を抜いた。馬吉がいなくなると藤太は誇らしげに財布を見せたが、金次はいつの間にかその中身を抜き取っていたのだった。驚いた藤太はその方法を教えて欲しいと頭を下げるが、お前は人が好過ぎるから泥棒には向かないと一蹴した。だが一刻も早く牢から出たい二人は手を結び、何故かここに銭が落ちていると馬吉を呼び寄せた。それが自分の物とは気づかずに喜んでいる間に馬吉は帯から下がる鍵を抜き取ったのだった。馬吉が銭の計算をしている間にまず金次が逃げ、それに気づいて追い掛ける間に藤太が逃げた。作戦は成功したかに見えたが、役人の姿に怯えた藤太は建物の床下に隠れた。頃合いを見て逃げ出すつもりでいたが、休憩どころか寝入ってしまい気づくと日がとっぷりと暮れていた。困った藤太は床下から顔を覗かせるが、そこは甚六が住む官舎だった。藤太は諦めてお縄についた。その頃、金次は待ち合わせる約束をした地蔵の前にいたが、いくら待っても藤太が来ないため諦めて箱根に向かった。その途中の宿場に泊まった金次は武士の一団に絡まれるお八重という名の娘を助けたが、街道で偶然藤太と再会した。前科十九犯となりこれ以上浜松にいられては御上の手数が掛かり過ぎると所払いを言い渡されたのだった。藤太の顔を見たお八重は「あの方」に似ていると思った。

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