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男はつらいよ 寅次郎忘れな草

  • posted at:2021-01-10
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうわすれなぐさ
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1973年
公開日:1973年8月4日 併映「チョットだけヨ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 浅丘ルリ子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 99分

半年ぶりにとらやへ帰ってきた車寅次郎だったが店の中の様子がいつもと違っていた。奥から聞こえるのは御前様の読経の声。きっと叔父の竜造が死んだに違いないと考えた寅次郎は部屋にズカズカと上がり込むと仏壇に手を合わせた。だがそれが実の父親の二十七回忌の法要だとわかると馬鹿馬鹿しいと悪態をついた。それを聞いたさくらたちは反省を促すが、御前様はこれも死んだ仏が呼んだに違いないと場を治めた。ところが笑ってはいけない場面でウズウズするのが寅次郎の悪い癖。読経する御前様に悪戯を仕掛けて法要をぶち壊したのだった。御前様が起こって帰ると、笑ったのが悪いという寅次郎と笑わせたのが悪いという竜造が口論を始めた。呆れたさくらたちが退散する中、二人の大声は夜空に響いた。

御前様が園長を務める幼稚園にさくらは一人息子の満男を通わせているが、迎えに行った帰りに聞こえてきたピアノの音色を聞いて習わせたいと思った。ピアノは彼女が小さいことからの夢であり、それを満男に託したかったのだ。だがアパートには置けるスペースがなく、そもそも口うるさい大家が許すはずがなかった。夫の諏訪博と話しているのを聞いた寅次郎は勢いよくとらやを飛び出すとすぐに戻ってきた。彼はおもちゃの赤いピアノを抱えていたのだ。本物が欲しかったとは言えないさくらがお礼を言うと、寅次郎は機嫌よく部屋に帰った。ところがその夜、遊びにきた朝日印刷所の桂梅太郎社長の言葉で真相を知り、竜造と口論した末に出て行った。

初夏の北海道を旅する寅次郎。網走の露天でレコードを売るが一枚を捌けず、網走橋の欄干にもたれ掛かって川を見ていると一人の女が声を掛けてきた。彼女はかつてレコードを出したことがあるドサ回り歌手の松岡リリーだった。東京生まれだがフーテン暮らしで故郷を持たないというリリーに親近感を覚えた寅次郎は、自分たちが真っ当な生活とは違うまるで「あぶく」のような存在であることを話した。やがてリリーの仕事の時間が迫ると、また日本の何処かで会おうと約束をして二人は別れた。このままの生活を続けてはいけないと考えた寅次郎は職業安定所で紹介された農場で働くことにするが、想像以上の過酷さに目を回し過労で寝込んでしまった。

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男はつらいよ 寅次郎夢枕

  • posted at:2020-12-27
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうゆめまくら
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年12月29日 併映「舞妓はんだよ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:松本隆司
音楽:山本直純
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:宗本弘美
衣裳:東京衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:ダイハツ自動車販売株式会社 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 八千草薫 松村達雄 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 95分

塩尻の日出塩駅でうたた寝をし妹のさくらの夢を見たフーテンの寅こと車寅次郎は生まれ故郷に帰ることに決めた。とらやへ行く前に柴又の題経寺に立ち寄った寅次郎は境内で遊ぶ子供たちの様子を見て微笑んでいたが、用事を忘れた子を叱る母親の言葉を聞いてショックを受けた。その母親は「馬鹿みたいに遊んでばかりいると寅さんみたいになっちゃうよ」と言ったのだ。寅次郎は身を隠すようにその場から去った。団子屋とらやの前を気にしながら素通りすると、叔父の竜造や叔母のつね、そしてさくらが笑っているのが見えた。きっと自分を馬鹿にしているに違いないとへそを曲げた寅次郎はとらやに入らず、店の裏にある朝日印刷所へ行き工員を捕まえて毒を吐きまくったのだった。困った社長の桂梅太郎が竜造に助けを求める一方、印刷所で働くさくらの夫の諏訪博は何とか説得を試みた。だが収まりのつかない寅次郎はこっそりととらやの庭に忍び込み会話に耳をそばだてた。するとその様子に気づいたさくらが兄を褒める芝居を皆に指示したことで何とか難局を乗り越えたのだった。反省し博に詫びを入れる寅次郎だったが、心労がたたり体調が悪くなった。とらやに担ぎ込まれひと眠りした寅次郎は人が変わったようにおとなしくなり、鍋を前に彼の口からは今まで済まなかったと謝罪の言葉ばかり。そこに訪ねてきたのは梅太郎から事の顛末を聞いた題経寺の住職の御前様だった。話題は結婚のことに移り、上機嫌の御前様は及ばずながら力になりますと言って帰って行った。翌朝、寅次郎が目覚めるとさくらや竜造たちは既に花嫁探しに出掛けていた。ところが柴又界隈では寅次郎の名前を出すだけで拒絶される始末。夕方になり皆でその話をしているところを寅次郎に聞かれ、ショックを受けた彼はまた喧嘩をして出て行った。

冬枯れた信濃路を旅する寅次郎は世話になった旧家の女主人から伊賀の為三郎のことを聞いた。その男は彼と同業で以前何度か旅先で顔を合わせたことがあった。この夏、為三郎がひょっこりとやってきていつものように旅のよもやま話をしているうちに急に具合が悪くなり、寝込んだまま三日後に亡くなった。身内に連絡をしようにも叶わず、この家で弔ったのだった。墓参りを終えた寅次郎は自分の行く末を重ねた。

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男はつらいよ 柴又慕情

  • posted at:2020-12-10
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよしばまたぼじょう
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1972年
公開日:1972年8月5日 併映「祭りだお化けだ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
照明:青木好文
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:松本隆司
音楽:山本直純
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:東京衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:京成電鉄 福井新聞社 京福電鉄 きもの・洛趣織 ペプシコーラ 柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 松村達雄 三崎千恵子 前田吟
シネマスコープ カラー 108分

初夏のある日、北陸地方の小さな駅でうたた寝をして妹夫婦の夢を見たフーテンの寅こと車寅次郎は生まれ故郷に帰ることに決めた。その頃、団子屋とらやでは叔父の竜造が家を建てようと考えるさくらたちのために少しでも足しになればと二階を貸し出そうと考えていた。だが心配なのは寅次郎をうまく説得出来るかだった。そんな矢先に現れたのはその寅次郎で、玄関にある魔除けの下にぶら下がった「貸間あり」の札を見てショックを受けたのだった。もう戻ってくるなと言われたような気がした彼はへそを曲げて店を飛び出した。さくらは後を追い掛けたが寅次郎は聞く耳を持たずに去って行った。

住むところを失った寅次郎は不動産屋へ行くが、彼のような商売では中々引き受けてくれる家主はいなかった。一方、寅次郎の方も身勝手な条件をつけることでまとまるものもまとまらず不動産屋をハシゴをする羽目になった。夕方になり疲れてどうでもよくなった寅次郎は話を詳しく聞かずに住処を決めた。そして不動産屋の車で連れて行かれたのはなんととらやだった。寅次郎はふざけるなと言って車に戻ろうとするが、さくらの夫の諏訪博は何とか話を聞いてもらおうと引き留めた。だがそこでもう一つ問題が発生した。不動産屋が仲介手数料を請求してきたのだ。金額が家賃一か月分と聞き驚く博。すると寅次郎は自分の家に帰ってきただけだからそんな物は必要ないと主張した。騒動になり博が払う約束をして何とかその場は治まったが、納得が行かないのは寅次郎だった。ひと言ことわりがあって然るべきだろうと怒鳴ると、さくらは重い口を開きそんなときに何処へ行ったらお兄ちゃんに会えるのと尋ねた。更に竜造から迷惑だと言われ頭にきた寅次郎は再び出て行こうとした。博は引き留めるために事の発端である自分が悪かったと謝るが、調子に乗った寅次郎は軽口で責めたことで彼の心を傷つけたのだった。さくらから言っていいことと悪いことがあると叱られた寅次郎は居づらくなって静かに出て行った。

福井を旅する寅次郎は食堂で東京からきた娘たちと出会った。歌子、マリ、みどりは夏になると旅行に出掛けていたが、その中のみどりが結婚することになりこれが三人組での最後の旅行だという。御馳走した味噌田楽をきっかけにして歌子たちと仲良くなった寅次郎は旅をともにすることにした。

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男はつらいよ 寅次郎恋歌

  • posted at:2020-11-16
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよとらじろうこいうた
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年12月29日 併映「春だドリフだ 全員集合!!」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
撮影:高羽哲夫
美術:佐藤公信
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:五十嵐敬司
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:玉生久宗
衣裳:東京衣裳
現像:東京現像所
製作主任:池田義徳
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
衣裳協力・きもの:洛趣織
衣裳協力・帯:いづくら帯
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 森川信 笠智衆 前田吟
シネマスコープ カラー 114分

とある漁師町で商売を始めようとした車寅次郎だったが、秋の長雨に祟られ諦めた。そこで磯野漁協会館で興行を打つ坂東鶴八郎一座を訪ねたのだが、客の不入りで昼の部を休演したのだった。寅次郎は座長の鶴八郎を慰め、お互いにクヨクヨせずに頑張りましょうと力づけた。旅館まで相合傘で送ってくれた鶴八郎の娘で一座の花形女優の小百合にいいところを見せようとした寅次郎はお礼としてチップを気前よく渡すが、それが5千円札だったことを後で気づき間違ったと悔しがった。

買い物から帰ってきたさくらの様子がおかしいことに気づいた叔母のつねは心配して理由を尋ねた。するとさくらは涙ながらに話し始めた。八百屋で買い物をしていたところ奥の部屋から子供を叱る声が聞こえてきた。ちゃんと勉強をしないと寅さんみたいになっちゃうよ、と。話を聞いた叔父の竜造は憤ったが、さくらは兄が何故そこまで馬鹿にされなければならないのだろうと嘆いた。そんな矢先、寅次郎が帰ってきた。竜造はやさしく迎え入れようと考え一芝居打つが、大袈裟な歓迎の仕方がからかわれたと思い寅次郎はへそを曲げた。桂梅太郎の印刷工場で騒動を起こした彼は飲みに行った酒場で意気投合した昔の仲間をとらやに連れてくる始末。竜造たちをなだめて給仕をするさくらは歌を唄えと言われてためらった。だが思い直して「かあさんの歌」を唄い始めると寅次郎は申し訳なく思い仲間と店を出た。

ある日、さくらのもとに電報が届いた。それは彼女の夫・諏訪博の母の危篤を知らせるものだった。息子の満男をつねに託した博とさくらは急いで岡山へ向かうが死に目に会うことは出来なかった。本来ならもう少し早めに連絡をすることが出来たのだが、父の飈一郎がそれぞれの仕事を持つ息子たちを気遣い遅らせたことが原因だった。その結果、死に立ち会うことが出来たのは長男の毅だけで、博と次男の修は間に合わなかったのだ。その頃、飈一郎は書斎に籠っていた。

葬式の日、諏訪家に寅次郎が現れたことでさくらは目を丸くした。何故なら彼は博の実家を知らないはずだからだ。何しにきたのと尋ねると、昨夜とらやに電話を掛けたときに葬式があることを知り、偶然商売で岡山にきていたため立ち寄ったと説明した。騒動が起きないことを願うさくらだったが、やはりそれは起こった。

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男はつらいよ 奮闘篇

  • posted at:2020-10-26
  • written by:砂月(すなつき)
おとこはつらいよふんとうへん
松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年4月28日 併映「花も実もある為五郎」
監督:山田洋次
製作:斎藤次男
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:今関健一
装置:小野里良
装飾:町田武
進行:長島勇治
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東京現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会
出演:渥美清 倍賞千恵子 榊原るみ 光本幸子 ミヤコ蝶々
シネマスコープ カラー 92分

雪深き春、集団就職で上京する学生と別れを惜しむ家族の姿を越後広瀬駅で見た車寅次郎は故郷が恋しくなった。その頃、葛飾柴又にある団子屋「とらや」の前に一台のハイヤーが停まった。降りてきたのは寅次郎の生みの親であるお菊だった。彼女が店を訪れるのは30年ぶりで、久しぶりに再会した竜造やつねは時の流れを感じた。お菊が突然きたのには理由があった。一年程前に寅次郎から届いた手紙には、近々嫁をもらうからいつでも遊びにきてくれと書いてあった。そこで一度その嫁の顔を見てみたいと思い、雑用を片付けてはるばる京都からやってきたのだ。さくらを嫁、満男を孫と勘違いする自らの騒動を笑い飛ばしたお菊はふと我に返り、嫁は一体何処にいるのかと尋ねた。竜造がこれまでの流れをさくらに説明すると、寅次郎が所帯を持とうとしたのが誰だったのか皆で考え始めた。だがその一年程の間にいろいろありすぎて結論は出ず、相も変わらず独身だと説明すると、お菊はそうですかとため息をついた。

お菊がハイヤーでホテルに戻ると、それと入れ替わるように寅次郎が機嫌よく帰ってきた。だが竜造の迎え方が気に食わないと怒り出し、もう二度と帰ってくるもんかと啖呵を切った。さくらが慌てて引き留めお菊がきていることを伝えたが、捨てた人を親と呼ぶことは出来ないと寅次郎は言った。そしてもう自分に帰るところはないと捨てゼリフを残して出て行こうとしたが、偶然幼馴染の冬子が通り掛かったことでいいところを見せようと態度を翻したのだった。その変わりように皆呆れ返ったが、これで寅次郎がお菊に会うものだと安心した。ところが彼の気持ちは凝り固まったままだったため竜造たちは何とかしようと説得を試みた。数日後、さくらは嫌がる寅次郎を夫・諏訪博が運転する車に無理矢理乗せてホテルに向かった。部屋に着くと寅次郎はトイレに直行し、その間にお菊は二年前にあったことをさくらに話した。そのときは落ち着いて話すことが出来なかったため、機会を作って東京にきたのだ。だが寅次郎はあれから一向に変わっておらず、むしろ拍車が掛かった馬鹿さ加減にお菊は頭を痛めた。思わずお前のところへくる嫁は例えどんな女であってもきてくれるだけでありがたいと思えと言ったが、それを聞いて怒ったのは寧ろさくらの方だった。お菊は自分が産んだ息子のせいで苦労を掛けるさくらを不憫に思い涙を流した。その日、とらやに戻った寅次郎は嫁探しに行ってくるとだけ竜造に伝えて出て行った。

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