松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1971年
公開日:1971年1月15日 併映「やるぞみておれ為五郎」
監督:山田洋次
製作:小角恒雄
企画:高島幸夫 小林俊一
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 宮崎晃
美術:佐藤公信
撮影:高羽哲夫
照明:内田喜夫
編集:石井巌
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
音楽:山本直純
監督助手:大嶺俊順
装置:若林六郎
装飾:町田武
進行:柴田忠
衣裳:東京衣裳
製作主任:池田義徳
現像:東洋現像所
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
協力:柴又 神明会 五島観光連盟 福江市 玉之浦町
出演:渥美清 若尾文子 倍賞千恵子 前田吟 三崎千恵子
シネマスコープ カラー 89分
旅先の食堂で食事をしていた車寅次郎はテレビの画面に釘づけになった。公共放送では生まれ故郷である葛飾柴又の特集をしており、そこには帝釈天の御前様や若者の団子離れを嘆く叔父の竜造、妹のさくらとその子供の満男の姿が映ったからだ。その光景を懐かしく思う寅次郎は早速とらやに電話を掛けるが、10円玉の持ち合わせがなかったために言いたいことを伝える前に切れてしまった。途中下車した山口での出来事だった。
長崎の港に着いた寅次郎だったが、最終便が既に出航し明日まで五島行きの船が出ないと聞いてその先のことを決めかねていた。目の前には彼と同じように船に乗りそびれた赤ん坊連れの女性がいたため、その子が風邪をひくから早い所暖かい部屋に入った方がいいと声を掛けた。すると絹代は泊まる部屋代を貸してくださいと申し訳なさそうに言った。旅館に着くと彼女は夫の愚痴をこぼし、部屋代を体で返そうとした。そんな絹代の姿にさくらを重ねた寅次郎は心から同情し、仮に行きずりの男が妹に手を出すようなことがあれば俺はそいつを殺すと言った。翌日、福江市の港に着くと寅次郎はテキヤの仲間と一緒に仕事場へ向かおうとしたが、絹代がその場から動こうとしないため気になって声を掛けた。駆け落ち同然で家を出てきたため子供を連れて帰りづらいのだという。このまま放っておけない寅次郎は彼女の実家がある福江島まで送り届けることにしたが、絹江の父・千造は夫のもとへ帰れと言った。彼の話に感銘を受け失敗しても帰るところがあると思ううちは一人前になれないと悟った寅次郎だったが、自分を取り巻く人たちの顔が次々と思い浮かび故郷へ帰ることに決めた。
気分よくとらやを訪れた寅次郎だったが、叔父の竜造や叔母のつね、そして油を売りにきていた朝日印刷所の桂梅太郎社長までもが彼を見るなり浮かない顔をした。きっと何かを隠しているに違いないと感づいた寅次郎だったが、それが自分のいない間に部屋を他人に貸していたことだとわかるといじけて出て行こうとした。ところがその下宿人が目の覚めるような美人の明石夕子だと知り旅へ出るのを止めた。
屋台的映画館
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