日活
配給:日活
製作年:1963年
公開日:1963年11月23日
監督:鈴木清順
企画:浅田健三
原作:平林たい子
脚本:八木保太郎
撮影:峰重義
美術:木村威夫
録音:中村敏夫
照明:三尾三郎
編集:鈴木晄
助監督:葛生雅美
色彩計測:森勝
現像:東洋現像所
製作担当者:二反田実
音楽:池田正義
主題歌:「関東無宿」小林旭
刺青:大中豊
技斗:高瀬将敏
出演:小林旭 松原智恵子 平田大三郎 伊藤弘子 中原早苗
シネマスコープ カラー 92分
侠客を父に持つ女子高生の伊豆トキ子は任侠に興味を持つ友達・山田花子から刺青を彫る様子を見たいと頼まれた。吉田組に所属するダイヤモンドの冬の許可を得たトキ子は花子と市川松江を連れてが見学に行くが、痛みにもがき苦しむ姿に耐えられず花子を残して二人は部屋を飛び出した。一方、花子は弱みを見せまいと強がる冬に惚れ込んだ。
近頃では競輪や競馬などの公営ギャンブルに客を取られ賭場に足を運ぶ者はめっきり少なくなった。影響は伊豆組でも同様で、組長の伊豆荘太はそれをカバーするための仕事の話を持って帰ってきた。大山議員が選挙で勝ったお礼として3千万円程の土建の請負仕事を斡旋するというのだ。それを聞いた幹部の勝田光雄は格が下がるのではないかと心配したが、伊豆はこのご時世にそうでもしなければ一家は張れないと不安を一蹴した。
ある日、花子が本物の賭場を見たいといい出したため、冬は伊豆組の鉄が開く賭場に連れて行った。ところが運悪く警察の手入れを受け彼女は連行された。鉄からそのことを聞いた伊豆と勝田は客人への義理として貰い受けに行くことにしたのだが、花子は手錠を掛けられたことすらいい経験と捉えあっけらかんとしていた。そんな彼女に目をつけた鉄は、若くてきれいで度胸がある者しか体験出来ないようなもっと面白い見学をさせてやると誘った。それは美人局だった。ところが鉄は釣った相手から三万円で交渉され花子をあっさりと売り渡したのだった。そうとは知らない冬は鬼若組の賭場にいた鉄から手掛かりを聞き出そうとするが、しつこく絡んだため殴り倒された。それを武勇伝のように話す鉄を伊豆は叱った。兄弟分である吉田組組長・吉田大竜の機嫌を損ねることがあれば大山に入れ知恵をして請負仕事を貰えなくなる可能性があるからだ。勝田は伊豆組を代表して冬に謝りに行くことにした。鉄が書いた地図を頼りに向かうとその家には冬の姉がいた。その顔を見た途端、四年前の記憶が蘇った。信州のある旅館で勝田は岩田辰子と会っていた。雪が降る夜、碁石を畳の縁に乗せる賭け事をすることになった。賭け金は一回千円。それが膨れ上がると全てさらっていく鮮やかなやり口に勝田は心を奪われたのだった。だがそれはコンビを組んだおかる八とのイカサマで、勝田の頬の刀傷は取り押さえるときに出来たものだった。
翌日、花子が行方不明であることをトキ子から聞いた勝田は鉄を締め上げて白状させた。そして美人局をした温泉街へ行くが彼女を見つけることは出来なかった。その夜、泊まった旅館では賭場が開かれ、おかるがお不動さん参りの客相手をしていた。しかも部屋の隅には辰子がいた。勝ち目のない勝負だが勝田は敢えて対決することにした。
屋台的映画館
PR