東宝
配給:東宝
製作年:1955年
公開日:1955年4月24日 併映「弥次喜多漫才道中 化け猫騒動の巻」
監督:小田基義
製作:田中友幸
原作:香山滋
脚本:村田武雄 日高繁明
撮影:遠藤精一
美術監督:北猛夫
美術:安倍輝明
録音:宮崎正信
照明:大沼正喜
音楽:佐藤勝
音響効果:三縄一郎
特殊技術:渡辺明 向山宏 城田正雄
監督助手:岩城英二
編集:平一二
現像:東宝現像所
製作担当者:馬場和夫
特技監督:円谷英二
出演:小泉博 若山セツ子 千秋実 志村喬 清水将夫
スタンダード モノクロ 82分
海洋漁業の水上機Kー105パイロット・月岡正一は、上空からカツオの群れを発見すると本社に無線連絡し、同社所属の漁船・第三國竜丸を誘導した。その頃、月岡の同僚・小林弘治が操縦する水上機Kー104のエンジンが停止し岩戸島付近に不時着した。無線係・山路秀美からの連絡を受けて救助に向かった月岡は、機体と小林の姿を確認すると救援のために着水した。濡れた体を温めるために焚き火で暖を取っていると、突然巨大な獣の咆哮が辺りに鳴り響いた。岩の隙間に隠れた二人は、それが日本を恐怖に陥れたゴジラであることに驚いたが、そのゴジラが見たこともない恐竜と戦っていることでさらに驚いたのだった。二頭がもんどりうって海中に墜落すると、月岡たちはその隙を見て逃げ出したのだった。
大阪市警察本部にゴジラ対策本部が置かれ、呼び出しを受けた月岡と小林は古生物学者の田所博士が提示した資料の中から目撃したもう一頭の恐竜を見つけ出す作業を行っていた。そして二人が写真を指差したのが、今からおよそ七千万年前から一億五千万年前に地球を横行していたアンキロサウルス、通称アンギラスだった。アンギラスは多種の生物に対して徹底的な憎悪を持つ好戦的な肉食の暴竜で、脳髄が胸部や下腹部等に分散していることで巨大な体躯にも拘らず敏捷に行動することが可能だった。想像していたあらゆるものの中で最も悪いことが起きたと田所が東京から駆け付けた山根恭平博士に告げると、彼は無言で深く頷いた。田所はアンギラスがゴジラの背後から奇襲したところを月岡たちが目撃したことに触れ、恐竜はアンギラスと認めざるを得ないと結論付けた。続いて警視総監がゴジラ対策について話を求めると、山根はゴジラを防ぐ方法は一つもないと言った。ゴジラを葬り去った唯一の手段である水中酸素破壊剤「オキシジェン・デストロイヤー」の開発者である芹沢大助博士が大量破壊兵器として利用されることを恐れて研究資料をすべて焼却処分し、ゴジラと命をともにしたことで再び完成させることが困難になっていたからだ。第二のゴジラとともに現れたアンギラスの脅威から逃れるには、まず二頭の現在地を把握して上陸地点を予知すること。そして同時に付近の住民を退避させ完全なる灯火管制を行うことを山根は提言した。ゴジラは水爆実験により光に対して非常に敏感なことから、その習性を利用して遠い海洋へおびき出すしか選択肢がなかったのだ。
海洋漁業の一室に役員と社員が集まり、ラジオからの情報に耳を傾けながらゴジラの行方に気を揉んでいた。四国紀伊水道沿岸に上陸する公算が大きくなっていたからだ。その場合、会社にとって一番大事な漁区を失うことになり、工場の生産高に甚大な影響を及ぼすのだ。だがゴジラは進路を変えたことでその心配は去った。その夜、月岡はいつもと変わらない繁華街に秀美を連れ出しダンスホールで至福のひと時を過ごしていたが、突如場内に流れたアナウンスでそれは終わった。ゴジラが突如進路を変え、大阪湾内に進入しつつあるという対策本部からの発表が伝えられたのだ。ダンスホールは忽ちパニックに陥った。
屋台的映画館
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