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点と線

  • posted at:2019-02-25
  • written by:砂月(すなつき)
てんとせん
東映(東京撮影所)
配給:東映
製作年:1958年
公開日:1958年11月11日 併映「修羅八荒」
監督:小林恒夫
企画:根津昇
原作:松本清張
脚本:井手雅人
撮影:藤井静
録音:大谷政信
照明:川崎保之丞
美術:田辺達
音楽:木下忠司
編集:祖田冨美夫
助監督:飯塚増一
メーキャップ:井上守
美容:中井マサ
衣裳:八木一郎
色彩計測:林七郎
記録:大内小枝子
スチール:藤井善男
進行主任:内田秀雄
撮影助手:田中丈之助
録音助手:矢島一隆
照明助手:桑名史郎
美術助手:下沢敬悟
装置:中村唯行
装飾:北原義雄
背景:服部与一
電飾:木村孝
音響効果:岩藤龍三
現像:日本色彩映画株式会社
出演:南廣 高峰三枝子 山形勲 堀雄二 加藤嘉
シネマスコープ カラー 85分

10月21日、福岡香椎の海岸で男女の遺体が見つかった。着衣の乱れがない二人は規則正しく並び、履物もきちんと揃えてあった。傍にはジュースの空き瓶が落ちており、男女ともに顔の血色が良かったことから検視官は死因を青酸カリによる中毒死とした。東福岡署は死亡推定時間10時間前後、夜の10時から11時の間に合意の上で心中を図ったと断定した。だが古参刑事の鳥飼重太郎は違和感を覚えていた。どうして心中するのに寒々しい場所を選んだのだろう、と。だが石井刑事は考え過ぎだと一笑に付した。場所を署内に移し遺留品の確認が行われた。男の身元は持っていた名刺で産工省企業局業務部調査課課長補佐の佐山憲一であることがわかった。一方、女も東京赤坂にある割烹料理屋小雪の女中・お時であることが持ち物から判明した。佐山の遺留品の中から10月14日の日付けが入った列車食堂の受取証を見つけた鳥飼は一人分となっていることに疑問を感じ、東京発博多行きの7号列車の特急あさかぜには佐山一人で乗っていたのではないかと考えた。田坂刑事の捜査によって佐山が東中須の旅館に泊まっていたわかっており、20日の午後8時頃に女の声で掛かってきた電話をきっかけに出掛けたことも証言があった。これで翌朝の遺体発見と繋がった。

鳥飼は石井刑事とともに警察病院へ向かった。遺体を引き取りにきた佐山の兄は、女遊びを知らない堅物の弟が悪賢い女中の手管に掛かったのだとこぼした。それを聞いた鳥飼は二人の関係を彼が知らなかったことを確認した。一方、お時のことを良く知る女中の八重子も佐山が店にきたことはないと証言した。彼女に恋人がいることは察していたが、それが佐山だったことを今回初めて知ったのだ。それは一緒にきた女将も同じだった。だが八重子は、14日の夕方に友達のとみ子と東京駅にいたときに佐山がお時といるところを見ていた。そのことを何気なく話すと鳥飼の顔色が変わった。お時は佐山を見送りにきていたのではなく、一緒に車両に乗っていたのだった。

ひと月後、警視庁刑事部捜査第二課の三原紀一が東福岡署にやってきた。産工省汚職事件を追っていた彼は佐山の死に疑問を抱き、鳥飼から話を聞くことにしたのだ。鳥飼は彼を心中現場へ案内する間に複数の目撃者がいることを話した。一人は国鉄香椎駅向かいにある八百屋の主人で、買い物する客がいないかと店先にいたところ、オーバーを着た男と防寒コートを着た女が西鉄香椎駅の方へ歩いて行ったのを覚えていた。そしてもう一人は21時35分着の列車から降りた利用客で、酔ってゆっくりと歩いていた彼を追い抜いて行った二人組のうち女の方が澄んだ声で東京の言葉をしゃべっていたのを覚えていた。それらの証言を得ても鳥飼には腑に落ちない点があった。それは心中する場所を温泉地や観光地ではなくうら寂しい海岸を選んだのかだった。

屋台的映画館
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