東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1981年
公開日:1981年8月8日 併映「野菊の墓」
監督:鈴木則文
企画:日下部五朗 本田達男
脚本:鈴木則文 井上眞介 志村正浩
撮影:北坂清
照明:加藤平作
録音:荒川輝彦
美術:園田一佳
編集:市田勇
助監督:藤原敏之
記録:森村幸子
装置:太田正二
装飾:小谷恒義
背景:西村三郎
衣裳:東京衣裳
美粧結髪:東和美粧
演技事務:藤原勝
スチール:中山健司
音響効果:永田稔
擬斗:斉藤一之
宣伝担当:丸国艦 茂木俊之 小田和治
企画補:佐藤公彦
進行主任:野口忠志
協力:東映俳優センター
音楽:羽田健太郎
主題歌:「青春の嵐(ハリケーン)」真田広之
フラメンコ・ダンス指導:岡崎義隆
奇術指導:広瀬良雄
腹話術指導:小泉みつる
ボクシング指導:権藤正雄
協力:サニ千葉エンタープライズ ジャパンアクションクラブ
アクション監修:千葉真一
出演:真田広之 志穂美悦子 山下美樹 横山エミー 黒崎輝
アメリカンビスタ カラー 95分
アメリカ・テキサス州の牧場で働く響譲次は父危篤の知らせを聞き急いで自宅に戻った。彼の父・鉄心は空手の達人だったが、今は闘病生活を送っていた。鉄心は今際の際に譲次が自分の子ではないことを告げ、お前の人生を狂わせたのは自分だと悔いた。そして真実を書き記した手紙を渡すと息を引き取ったが、譲次の受けた衝撃は計り知れないものだった。18年前、青雲の志を抱いて沖縄から本土へ渡った鉄心だったが、現実は厳しく忽ちその日の食べ物にも事欠く悲惨な暮らしに陥った。その頃、週刊誌で裕福な生活を送る日野原氏のことを知った彼は、幼い3人の子供のうち双子の一方を仲間と共謀して誘拐した。それが譲次だった。諍いがもとで仲間を殺した鉄心は彼を連れてアメリカに渡ったのだった。亡くなるひと月前、ヒューストンの病院へ行った鉄心は偶然日本の新聞を目にし、日野原家の消息を知って愕然とした。3年前に日野原夫妻は自家用機の事故でこの世を去り、双子の兄・透も海外で謎の失踪をしたという。それ以来、鉄心は一日も早く譲次が日本へ帰ることを望んでいたのだった。
ポートアイランド博覧会で賑わう神戸に到着した譲次はメモに従って中央区北野町にある王文元の屋敷にたどり着いた。どうしようかと迷っていると相棒であるリスザルのピーターが塀を乗り越えて中に入って行ったため、勝手に入って捜すことにしたのだがプールで遊ぶ女の子たちに痴漢と間違われてしまった。その様子に驚いた王は慌てて熊沢青厳に電話を掛けた。日野原透が帰ってきた、と。だが熊沢は香港の楊玄徳のシンジケートから始末をつけたという連絡を受けていると真っ向からそれを否定した。
誤解が解け、さらに王邸へくる途中で財布を掏られたことに王の娘・麗花たちから同情された譲次は、連れてこられた喫茶カサブランカで腹を満たした。マスターのボギーから一文無しでどうやって生活して行くんだと心配される中、店に入ってきたのは王邸までバイクで連れてきたチンピラの三吉だった。彼は譲次から掏った財布の金でツケを払いにきたのだ。相手が観念したことで譲次のもとに無事に財布は戻ってきたが、今度は執事風の男が店に現れ彼は大きな屋敷に連れて行かれた。そこは譲次の叔父に当たる資産家・日野原一輝の屋敷で、譲次の姉である盲目の千尋も住んでいた。譲次は自己紹介しなければ千尋が間違うほど声が透とそっくりであり、一輝は現代の奇跡だと心から喜んだ。千尋は譲次を自室に招き入れるとオルゴールの音色を聞かせた。それは19歳の誕生日に父親からプレゼントされた特注品で、今も彼女の心の支えとなっていた。千尋は9歳を過ぎて網膜剥離になり、透は必ず姉さんの目を治すと医学の道を選んだ。そしてロンドンの大学へ留学したのだが行方がわからなくなったのだ。話を聞き終えた譲次は、透が帰ってくるまで僕が姉さんの杖になりますと言った。
屋台的映画館
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