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誘拐報道

  • posted at:2018-12-20
  • written by:砂月(すなつき)
ゆうかいほうどう
東映=日本テレビ放送網
配給:東映
製作年:1982年
公開日:1982年9月25日
監督:伊藤俊也
制作:高岩淡 後藤達彦
企画:天尾完次 高井牧人
プロデューサー:松尾守 瀬戸恒雄
原作:読売新聞大阪本社社会部
脚本:松田寛夫
撮影:姫田真佐久
録音:林鉱一
照明:山口利雄
美術:今村力
編集:戸田健夫
助監督:森光正
音響効果:原尚
記録:山内康代
制作調整:山田光男
演技事務:河合啓一
装置:開米慶四郎
装飾:金田孝夫
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣裳:内山三七子
宣伝:レオ・エンタープライズ(株)
スチール:加藤勝男
方言指導:島田淳 池田道枝
現像:東映化学
進行主任:小島吉弘
音楽監督:菊池俊輔
主題歌:「息をしている」林牧人
出演:萩原健一 小柳ルミ子 秋吉久美子 藤谷美和子 高橋かおり
アメリカンビスタ カラー 134分

昭和57年1月22日金曜日、宝塚市内で誘拐事件が発生し、その夜兵庫県警は記者クラブで事件の詳細を発表した。被害者は宝塚署管内居住の小児科医・三田村昇の一人息子・英之(私立豊中若葉学園小学部1年・7歳)で、午後3時30分頃いつものように帰宅していたが、自宅付近の路地で待ち伏せていた何者かに拉致された。5時過ぎに被害者宅へ若い男から電話が掛かり、応対した昇の妻・緋沙子に3千万円を要求した。それと同時に、警察へ通報すれば自分は金を諦める代わりにおまえは子供を諦めろと脅迫した。成沢刑事部長は各新聞社に対し、当分の間取材活動や報道を自粛するよう要請した。報道協定解除の条件は、被害者が発見された場合、または犯人が逮捕され被害者の安全が確保された場合、もしくは捜査を秘匿する必要がなくなったことを刑事部長が確認しその旨を記者会見で発表した時点だった。記者の一人はまるで報道管制だとこぼしたが、子供の命が掛かっていることを考えれば致し方なかった。この事件では成沢を本部長とする捜査本部を県警に設け、捜査の進展に伴う発表はここで行うことになった。所轄の宝塚署に捜査の指揮本部を設定し、剣持捜査第一課長が担当した。

三田村家には被害者対策班の遠藤警部他6人が待機し犯人からの電話を待っていた。すると夜遅くになってついに掛かってきたのだ。犯人は緋沙子一人でタクシーを拾い宝塚新大橋を越えた建設現場で降りてパワーショベルのところで待てと命じた。風邪をひいている英之のことが心配な緋沙子は息子のことを聞き出そうと努力したが、犯人はそれ以上のことをしゃべることなく電話を切った。遠藤は指揮本部に連絡を行い、緋沙子はタクシーで現場に向かったが、車内には気づかれないように刑事が待機していた。そして工事現場周辺にも複数の刑事が先回りをして張り込んでいた。緋沙子が現場に到着してもそれらしき人物は見当たらなかった。だがパワーショベルの近くまで歩いて行くとその光景に彼女は思わず悲鳴をあげた。英之の学帽やランドセルが無造作に置かれていたからだ。呆然としたまま帰宅すると犯人から電話があった。警察に知らせたらどうなるかわかっただろう、と。

読売新聞神戸支局では大西支局長が若手記者の滝耕太郎に雷を落としていた。準備している予定稿が「警察お手柄 犯人逮捕」や「英之ちゃん無事 泣いて喜ぶ両親」という楽観的なものばかりだからだ。大西は最悪な事態の記事も用意しろと言ったが、まだそうと決まったわけではないから書けないと滝は拒否したのだった。すると大西は、誘拐された両親を思いやるよりも、惨いことを書かせる犯人を憎めと叱りつけた。

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