東宝
配給:東宝
製作年:1959年
公開日:1959年10月25日 併映「悪魔の接吻」
監督:稲垣浩
製作:藤本真澄 田中友幸
脚本:八住利雄 菊島隆三
撮影:山田一夫
美術監督:伊藤熹朔
音楽:伊福部昭
美術:植田寛
照明:小島正七
録音:西川善男 下永尚
監督助手:丸輝夫
編集:平一二
現像:東京現像所
製作担当者:川上勝太郎
特殊技術・撮影:有川貞昌
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・作画合成:向山宏
特殊技術・光学撮影:荒木秀三郎
特技監督:円谷英二
出演:三船敏郎 司葉子 水野久美 上原美佐 香川京子
シネマスコープ カラー 181分
この世の初め、天の一番高い所に高天原という国があった。まだ天も地も固まり切らず混沌としていた頃、高天原に初めて天之御中主神が生まれた。続いて様々な物と創る役目を持った高御産巣日神と神産巣日神が生まれ、次々と十人の神が生まれた。この最後に生まれたのが男神の伊邪那岐神と女神の伊邪那美神で、天之御中主神はふたりに海に漂う脂のような国土を人が住めるように創り上げよと命じた。矛を渡された伊邪那岐神は伊邪那美神とともに天の浮橋へ行き、その矛で混沌とした海をかき混ぜると島が出来上がった。そして島に降りたふたりは夫婦の契りを結び大八島を生んだ。それから伊邪那岐神と伊邪那美神はたくさんの神を生み、一番美しい女神の天照大神には高天原を、月夜見尊には黄泉国を、そして須佐之男命には海の上を治めるように言いつけた。景行天皇の時代、媼はこれらの物語を語り継いだ。
父景行天皇の寵妃を奪ったという兄大碓命の所業が許せない小椎命は、怒りに任せて拳を振り上げた。そのことを景行天皇の耳に入れた大伴建日連は、世継ぎである大碓命に手に掛けた小椎命を殺さなければ民が承知しないと説いた。小椎命を呼び寄せた景行天皇は、裁きを待つ彼に対し熊曽建兄弟が治める西の国の征伐に行くよう命じた。兄弟は名の知れた強者だが勝手な振る舞いをして民を困らせていると伝え聞いていた。降伏させることが男を立てる機会だと考えた小椎命はそれを喜んで引き受けることにした。出兵の前日、小椎命は伊勢に立ち寄り叔母の倭姫命を訪ねた。小椎命は父が自分を頼りにしていること、そして命を落とした兄が自分のせいではないことを伝えた。大碓命と争ったとき小椎命は手加減をしたが、伊勢にまで届いている兄殺しの噂は寵妃が流したものに違いないと訴えた。我が子のように可愛いお前のことを信じていると倭姫命は答え、心置きなく戦ってきなさいとやさしく言った。そこにいた社に仕える巫女弟橘姫に一目惚れした小椎命は、翌日水辺で再会したことを吉兆ととらえた。だがこの熊曽討伐こそ一族出身で天皇の後添いの子若帯を皇位につけようとする大伴健日連の策略だった。小椎命が熊曽建と対峙して討ち死にすることは間違いないからだ。
熊曽建兄弟はそれぞれ考えに違いがあった。残虐非道な兄に対し、無駄な死者を出したくない弟は小椎命に対話を求めた。だがそれが叶わぬことだとわかると戦う決意をした。その夜、館の完成を祝う大掛かりな宴が翌日行われることを知った小椎命は秘策を練った。そして当日、倭姫命から預かった着物で女に化けると陣から抜け出し館に向かった。民が浮かれる中、潜入することに成功した小椎命は兄建を討ち果たし、騒動に駆けつけた弟建とも死闘を繰り広げた。勝負が決すると弟建はこの国で一番強く勇気と知恵のある男として日本武尊と名乗ってくれと懇願し、お前のような男に討たれて本望だと最後に言った。
屋台的映画館
PR