東映(京都撮影所)
配給:東映
製作年:1975年
公開日:1975年6月21日 併映「青い性」
監督:深作欣二
企画:日下部五朗 杉本直幸
脚本:高田宏治
撮影:赤堀滋
照明:中山治雄
録音:溝口正義
美術:井川徳道
音楽:津島利章
編集:市田勇
監督補佐:皆川隆之
助監督:野田和男
記録:田中美佐江
装置:温井弘司
装飾:山田久司
背景:宮内省吾
美粧結髪:東和美粧
スチール:諸角良男
衣裳:森護
演技事務:上田義一
擬斗:上野隆三
進行主任:伊藤彰将
出演:北大路欣也 太地喜和子 室田日出男 川谷拓三 山城新伍
アメリカンビスタ カラー 92分
一日も早い出世を願っていた清元武司は、羽田組組長・羽田博厚の命令を受けた幹部の国吉稔らとともに敵対する湘南会の会長を襲撃し射殺した。罪を一人で被った武司は懲役八年の実刑判決を受けた。月日が流れ、熊本刑務所から出てきた彼を出迎えたのは国吉と、武司の情婦の一宮静子だった。国吉らは大分県・杖立温泉の旅館に移動すると組長から預かった出所祝いを渡し組の近況を話し始めた。抗争後、勢力図が大きく変わり、近いうちに羽田と湘南会の二代目との間で兄弟盃を交わすまでになっていた。それを聞いた武司は自分が置かれている立場を理解した。前会長を射殺した者が羽田組の幹部に収まることが出来ないことを。武司はカタギで生きると腹をくくり、それが組のためだと言うと国吉はとても喜んだ。彼が上機嫌で旅館を出て行くと、武司は仕事で一週間ほどしたら戻ってくると静子に伝えた。
急遽、新幹線で大阪に向かった武司は、新大阪駅で出迎えた男と合流した。その男は相棒・小出熊吉とともに爆弾を使って銀行強盗を企てたが、焦って行内でそれを暴発させ一円も持ち出せずに御用となった別所鉄也だった。彼らは刑務所仲間で、気軽に話せる程の仲となっていた。尼崎にいる熊吉を拾い、鉄也が車で向かった先は武司の注文に応じて借りた人目につかない小さな工場だった。三人が中に入ると武司は早速計画を話し始めた。分け前は一人一千万円ずつで警察から追われる心配なし。そんなうま過ぎる話があると聞き、鉄也は大乗り気だったが所帯持ちの熊吉はヤバい話に違いないと身構えた。だが準備する時間が明日までしかないと武司に急かされ鉄也から睨まれると、やると答えるしかなかった。武司は羽田の車を尾行して滋賀県大津市にある雄琴温泉の旅館に入るのを確認すると湖の対岸に向かい、釣り客を装ってそこから裏手の様子を観察した。そこからは旅館の庭が手に取るようにわかり周囲にある物を一つひとつ記憶した。その頃、鉄也は犀榴弾を製造し、熊吉は三人分の潜水用ボンベを手に入れた。仕事の内容を聞かされていない二人は武司が何を始めようとしているのか皆目見当もつかなかった。
日付が変わった深夜、武司の車に集合した三人は行動を開始した。まずスーツに着替えてボンベを背負うとモーターボートで湖の中央へ行った。そのことから鉄也たちは湖底に沈むお宝を引き上げるのではないかと考えたが、答えはそうではなかった。今頃、旅館では大花会の真っ最中であり、そこを狙えば何千万円という大金が手に入るのだ。二人は驚いたが、もう武司に従うしかなかった。静かに岸辺に近づくと計画を実行に移した。
屋台的映画館
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