松竹(大船撮影所)
配給:松竹
製作年:1979年
公開日:1979年12月28日 併映「神様のくれた赤ん坊」
監督:山田洋次
製作:島津清
企画:高島幸夫 小林俊一
ストーリー:山田洋次 レナード・シュレイダー
原作:山田洋次
脚本:山田洋次 朝間義隆 栗山富夫 レナード・シュレイダー
撮影:高羽哲夫
美術:出川三男
音楽:山本直純
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチール:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
現像:東京現像所
進行:玉生久宗
製作主任:峰順一
主題歌:「男はつらいよ」渥美清
撮影機材:パナビジョン
協力:柴又 神明会 日本航空
出演:渥美清 ハーブ・エデルマン 倍賞千恵子 下條正巳 三崎千恵子
アメリカンビスタ カラー 104分
紅葉が色づいてきた頃、一人の外国人が柴又題経寺で何やら尋ねてきた。言葉がわからない御前様は困り果て、学校で習ったのだから会話が出来て当然だととらやを手伝うさくらを頼ることにした。だが彼女は英語をすっかり忘れており、竜造もつねも困惑するばかり。するとどうやらこの人は旅館を探しているらしいと団子を買いにきていた女性が言った。彼女はさくらの息子・満男が通う英語教室の先生をする高井めぐみの母・圭子だった。マイケル・ジョーダンというその外国人はビタミン剤のセールスマンとして日本にきたのだが、習慣の違いから仕事がうまくいかなかった。金もないためホテルに泊まることが出来ず安い旅館を探していたのだった。そこで御前様は日米親善のために二階に泊まらせてみてはどうかと提案した。その部屋はさくらの兄の寅次郎の部屋だが、今はテキヤとして放浪の旅に出ている。竜造は言葉の通じない見ず知らずの男を部屋に泊めることに反対だったが御前様から頼まれれば受け入れるしかなかった。
言葉が通じない人との生活は車家にとって一大事だった。だがお互いが気遣いながら暮らすうちにいつの間にか家族のような関係になっていた。片言ながらも言葉が通じるようになり何とかコミュニケーションを取れるようになると、つき合ってみれば下手な日本人よりマシさとつねが言った。油を売りにきていた梅太郎がそれを聞いて、そう言えば下手な日本人がいたなとつぶやくと、その人物が店先にいたのだった。紀州を旅していた寅次郎はふと故郷が懐かしくなり帰ってきたのだ。少し前に帰ってきたにも拘らず。今度こそゆっくりと体を休めたいから長逗留したいと寅次郎が言うと、血の気が引いたのは竜造たちだった。自分の部屋へ行こうとする彼を引き留めた竜造はアメリカが好きかと尋ねた。すると寅次郎は黒船が浦賀の沖へきて徳川三百年天下泰平の夢が破られてそれ以来日本人が不幸せになったのだから嫌いだと言った。するとそこにマイケルが現れ仕事に出掛けて行った。その体の大きさに圧倒されて腰を抜かした寅次郎は、お遣いから帰ってきたさくらに一体どういうことかと問い詰めた。自分の部屋に外国人を泊めたことが我慢ならない彼は出て行こうとするが、皆で何とか説得した。ひと眠りして元気を取り戻した寅次郎は帰ってきたマイケルと対決して叩き出そうと考えていたが、店にきた圭子とめぐみが帰ってきたマイケルと親しそうにしていることでいいところを見せようと見えを張った。そして話の流れで圭子が未亡人であることがわかると寅次郎の恋がまた始まった。
屋台的映画館
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