東宝
配給:東宝
製作年:1962年
公開日:1962年8月11日 併映「私と私」
監督:本多猪四郎
製作:田中友幸
脚本:関沢新一
撮影:小泉一
美術:北猛夫 安倍輝明
録音:藤好昌生
照明:高島利雄
音楽:伊福部昭
整音:下永尚
監督助手:梶田興治
編集:兼子玲子
音響効果:西本定正
現像:東京現像所
製作担当者:中村茂
特殊技術・撮影:有川貞昌 富岡素敬
特殊技術・光学撮影:幸隆生 真野田幸雄
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・合成:向山宏
特殊技術・制作担当者:成田貫
特技監督:円谷英二
出演:高島忠夫 佐原健二 藤木悠 有島一郎 田崎潤
シネマスコープ カラー 97分
パシフィック製薬の多胡宣伝部長は頭を痛めていた。広告を提供しているTTVのテレビ番組「世界驚異シリーズ」の視聴率が不振にあえぎ、社長から電話で怒鳴りつけられたからだ。ソロモン群島での野性薬草の調査旅行から戻った薬学博士の牧岡から興味深い話を聞いた多胡は、番組ディレクターの古江金三郎に話を持ち掛けた。すると古江は飛び上がって喜び、カメラマンの桜井修とともに取材にやってきたのだ。ファロ島付近の海域に大異変が起こりつつあるのは目覚めた巨大なる魔神のせいだとする原住民の説に桜井は不信感を持っていたが、多胡は真説であり視聴率引き上げの決定打だと言って譲らなかった。ライバル企業・セントラル製薬がQTVを通じて国連所属原子力潜水艦シーホーク号の海底探検シリーズを企画しているという情報があるため、何としてでもこの勝負に勝たなければならなかったのだ。そこで多胡は海外大取材班派遣に対する全面的なバックアップを行うことにした。
北極海では水温が摂氏18度まで上昇する現象が起きており、国連が派遣した科学者を乗せたシーホーク号が急航した。乗員がチェレンコフ光を発する氷山を前方に見つけ、そこにガイガー反応があることから潜航して調査を行っていたが、突然崩れてきた氷塊に押し潰されて航行不能となった。そして氷山から現れた巨大な生物が吐く熱線に焼かれた。その頃、パシフィック製薬では海外取材班出発祝賀会が盛大に行われていた。各メディアから注目されることに多胡はご満悦だったが、会見と同時刻に重大発表が行われたため新聞記者が一人もいなかった。多胡はそれを知ると歯ぎしりした。
日本を出港した貨物船は無事フェロー島に到着した。大取材班と行ってもメンバーは桜井と古江だけ。二人の頼みの綱は通訳のコンノだった。酋長と対面するとコンノは必死になって通訳したが、彼は頑として上陸を許可しなかった。しびれを切らした桜井はトランジスターラジオを差し出し、日本語とジェスチャーを交えてお土産だと説明した。そしてスイッチが入り音楽が鳴り出すと酋長はそれをとても気に入り、あっさりと上陸を許可した。そして条件として魔神に食い殺されても責任は負わないと言った。やがて空が曇ると雷鳴が轟き稲妻が走った。すると島民たちは魔神の怒りを鎮めるための儀式を始めたのだ。桜井は原子古代の考え方であれば魔神が雷であってもおかしくないと震える古江に説明して納得させたが、獣の咆哮が聞こえると二人でへたり込んだ。
屋台的映画館
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