宝塚映画
配給:東宝
製作年:1964年
公開日:1964年1月13日
監督:稲垣浩
製作:田中友幸
原作:南條範夫
脚本:木村武 稲垣浩
撮影:山田一夫
美術:植田寛
照明:小西康夫
録音:西川善男
特技監督:円谷英二
特殊技術・撮影:有川貞昌
特殊技術・光学撮影:幸隆生 徳政義行
特殊技術・美術:渡辺明
特殊技術・照明:岸田九一郎
特殊技術・監督助手:中野昭慶
特殊技術・製作担当者:小池忠司
音楽:石井歓
監督助手:竹前重吉 高瀬昌弘
編集:岩下広一
製作担当者:沖原俊哉
現像:東洋現像所
殺陣:久世竜
出演:市川染五郎 夏木陽介 佐藤允 星由里子 三船敏郎
シネマスコープ カラー 106分
大坂夏の陣最後の日、徳川家康の本陣へ幾度か反撃を試みた真田幸村の軍勢もついに崩れ去り、幸村戦死の悲報は大阪方全軍に広まった。勝ちに乗じた徳川勢は城内に立ち入り難攻不落を誇った大坂城ももはや落城の時を待つばかりとなっていた。そんな中、奥野久之助は逃げると言い、深見重兵衛は城と運命を共にすると言った。その二人を見て逃げる相談をしているのではないかと考えた草薙修理は敵陣に斬り込んで最後まで戦えと怒鳴った。俺は切腹することに決めたと重兵衛が言うと、修理は同じ死ぬ覚悟なら俺と一緒にこいと言って連れて行こうとした。久之助は死んだらおしまいだから俺と一緒に逃げようと引き留めるが、俺は戦うのも逃げるのも嫌だと重兵衛は言った。呆れた修理が戦場に戻ると、重兵衛は死に場所を探し久之助はお前の切腹を見届けないと安心出来ないと言ってついてきた。同じ頃、生き残る道を探っていた武藤満太と鷲尾九十郎は千畳敷に火を点けて徳川方に寝返ろうと考えた。
重兵衛は燃え盛る大坂城がよく見える静かな城内を死に場所に選んだ。ところが侍女の小里が忍びに襲われているところに出くわしてしまい、重兵衛は久之助と協力して撃退した。忍びに奪われそうになったのは豊臣秀頼の遺子国松で、小里は彼を乳母の里である近江国まで連れて行こうとしていたのだ。若君の警護を命じられれば従うしかない。重兵衛は仕方なく切腹を諦めることにした。残党狩りから何とか逃げ延びた四人は街道の外れで休息を取っていたが、久之助が俺はここで別れると言い、役に立つから持って行けと重兵衛に小さな巾着袋を渡した。その中には逃げる際に久之助が兵士の死体からくすねた金が入っていた。久之助が姿を消すと重兵衛は逃げる人々に混じって大坂を後にした。暗くなって行動を開始した重兵衛たちは国松の家までたどり着いた。だが家を取り囲んだ役人によって国松は奪われ、命を狙われた重兵衛は小里の手を引いて何とか逃げ延びた。国松を取り返そうとする小里を力ずくで説得した重兵衛は農民の家を訪ね、小判と引き換えに握り飯と薄汚れた着物をもらった。翌日、その着物に着替えると小里は京の都へ、重兵衛は当てのない旅に出た。ところがその矢先に重兵衛が捕まった。それは大坂城で小里を助ける際に重兵衛と久之助が殺した忍びの娘織江による仇討だった。これも運命と重兵衛が諦め掛けたその時、彼を助けたのは通りすがりの虚無僧だった。その男は「戦が終わっても何が起こるかわからない。大きな竜巻に巻き込まれて自分の生き方を間違えぬように用心しろ」と言った。
屋台的映画館
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