松竹=朝日放送
配給:松竹
製作年:1991年
公開日:1991年12月23日
監督:舛田利雄
製作:櫻井洋三 山内久司
制作補:橋本芳和 中嶋等
脚本:吉田剛
音楽:平尾昌晃
編曲:竜崎孝路
撮影:石原興
美術:倉橋利韶
録音:広瀬浩一
編集:園井弘一
調音:鈴木信一
装飾:木下保
スチール:野上哲夫
殺陣:谷明憲 布目真爾
記録:野崎八重子
効果:竹本洋二
制作主任:武田功 渡辺寿男
監督補:津島勝
主題歌:「月が笑ってらぁ」藤田まこと
出演:藤田まこと 三田村邦彦 菅井きん 白木万理 光本幸子
アメリカンビスタ カラー 104分
佐渡島にある佐渡金山では金などの鉱物が採掘され、長年に亘って徳川幕府の財政を支えていた。は幕府直轄の天領であるこの地には佐渡奉行所が置かれ、水汲人足たちが山を出る際には金を外へ持ち出せないよう念入りな検査が行われた。ある夜、黒衣の集団が奉行所を襲撃し、無宿人を解放すると御用船を襲わせたが、嵐のために操船出来ず出雲崎沖合に沈んだ。その船には半年分の上納金二百貫が乗っていたが、それは小判十万両に相当した。物資不足により金の暴騰を恐れた勘定奉行は小判の加工を行う金座後藤本家に対し他言無用の御触を出したのだった。
御用船沈没の知らせを聞いた後藤本家奉公人のお浅は絶望のあまり川へ身を投げようとしていた。何故なら彼女は、思いを寄せる与七が乗った御用船が沈没する夢を何度も見ておりそれが現実となったからだ。偶然通り掛かった政が思いとどまらせ、お前の夢が良く当たることは知っているが与七はやわに死ぬ奴じゃないと言い聞かせた。するとお浅は、与七が夢の中で会いたいと言っていた深川洲崎に連れて行って欲しいと頼んだ。会えば何もかもがわかると彼女は信じていたのだ。
御用船が沈んだことで金相場が高騰するという噂が広がり、巷では金の買い付け騒動が起こっていたが、それは南町奉行所同心中村主水の屋敷にも影響を及ぼしていた。朝から嫁のりつと姑のせんが大掃除と称して主水のへそくりを探し回っていたのだ。何だかわからないが見つけられてはたまらないと在り処を厠の天井に変えて仕事に出掛けると、奉行所は何やら慌ただしい様子だった。勘定奉行所からの要請で、金の値上がりで駿河町が大混乱となり怪我人が出ないように取り締まることになったのだ。主水は屋敷内での騒動の発端がこれだったことに納得した。早速駿河町に向かうと通りには人だかりが出来ており、両替商から出てきたりつとせんは十二両分の金を買ったと誇らしげに言った。それが半月もすれば三十両に化けると聞き驚いたが、その原資としてあのへそくりが使われていることがわかるとさらに驚いたのだった。
元締鎌イタチのおむらに呼び出された仕事人たちは金座後藤の妻千勢からの依頼内容を聞いた。御用船が沈没した際、無宿人は生き残った形跡があったが御公儀は全て溺死として処理しそれ以上調べようとしなかった。そのことから千勢は乗員を皆殺しにした無宿人への敵討ちを二百両で依頼したのだった。分け前が多いことからおむらは全員が協力すると思っていたが、役人の尻拭いは御免だと飾り職人の秀が抜け、お歌が抜け、夢次が抜け、俺一人じゃ出来ねえと主水も抜けた。その頃、政はお浅を連れて洲崎の砂丘にきていた。そこは寛政の津波で民家が流された場所で今は津波避けの何もない場所になっていた。その日から毎晩そこへ通うようになり、ある夜、お浅は与七の声が聞こえると言った。彼女の代わりに政が浜へ下って行くとそこには無宿人と上納金を運ぶ与七の姿があった。
屋台的映画館
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