角川春樹事務所
配給:日本ヘラルド映画=東映
製作年:1978年
公開日:1978年10月7日
監督:佐藤純彌
製作:角川春樹
プロデューサー:坂上順 遠藤雅也 サイモン・ツェー 松田文夫
原作:森村誠一
脚本:高田宏治
撮影:姫田真佐久
録音:紅田愃一
照明:熊谷秀夫
美術:徳田博
編集:鍋島惇
助監督:葛井克亮
記録:小山三樹子
擬斗:伊藤浩市
テクニカル・アドバイザー:四方義朗
製作担当:栗原啓祐
俳優担当:中田新一
スチール:遠藤努 池田岳史
音楽監督・作曲:大野雄二
主題歌:町田義人
音楽監督補佐:鈴木清司
出演:高倉健 中野良子 夏木勲 薬師丸ひろ子 ハナ肇
シネマスコープ カラー 143分
1980年5月、裏磐梯・フーバー米大使山荘が過激派に占拠された。彼らは平田内閣総理大臣の出頭を要求し、拒否すれば深夜0時丁度を以ってフーバーとその家族を処刑すると声明を出した。福島県警はライフル隊を接近させたが報復として運転手を射殺されたことから、打つ手をなくした吉田県警本部長は頭を痛めていた。現地に到着した野村総務長官から連絡を受けた官邸の坂本防衛庁長官は、超法規的措置を講ずるべきだと平田に進言した。それからしばらくして漆黒の闇を5機のハンググライダーが飛んだ。彼らは自衛隊特殊工作隊で、0時5分前に行動を開始すると音もなく忍び寄った。そして2人の見張りを倒すと屋内を停電させ、相手が混乱しているうちに過激派全員を抹殺した。
陸上自衛隊では特に能力と精神力に優れた隊員を選抜して各方面隊総監部直属の特殊工作隊を編制している。特殊工作隊の目的と実態は完全な極秘事項とされているが、その訓練は想像を絶する苛烈さだった。山岳行動訓練では何処とも知れぬ秘境地帯に隊員を単独で残して所定の目的地まで到着することが要求された。例えそれがひと月の行程であっても携帯食糧は3日分と限定され、あとは全て自給自足で賄わなければならなかった。そして一般住民との接触は厳禁となっていた。味沢岳史一等陸曹が降り立った地点は、青森、岩手、宮城3県にまたがる広大な北上山地にある原生林の真っ只中だった。飢え、孤独、自然の猛威や野生の生物との戦いによって人間の能力の限界を超えた彼はついに人道へたどり着くことが出来たのだが、その姿はまるで服を着た野獣だった。そんな彼と鉢合わせしたハイカーの越智美佐子は近くの里へ助けを求めて走った。
岩手県下閉伊郡柿の木村にある風道という集落で住民全員が殺されるという事件が発生した。当初5戸13人が犠牲になったとされていたが、そのうちの1人が美佐子であることがわかり、8歳の長井頼子の安否が不明とされた。翌日、別の集落の納屋で彼女は見つかり、県警は身柄を保護した。だが少女は青い服を着た知らない男が連れてきてくれたということ以外何も覚えていなかった。大学病院で診察を受けた結果、異常な恐怖体験を原因とした選択制健忘症と診断された。県警は頼子から犯人に関する重要な手掛かりを得られないまま親戚に引き取られた。一方、美佐子の遺体は彼女と瓜二つの妹・朋子によって確認された。結局、県警が得られたのは犯人が「青い服の男」だったという情報しかなかったため、捜査は完全に行き詰った。
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