日活
配給:日活
製作年:1968年
公開日:1968年8月28日 併映「だれの椅子?」
監督:西河克己
企画:笹井英男
脚本:伊奈洸 村田啓三 智頭好夫
撮影:高村倉太郎
照明:河野愛三
録音:片桐登司美
美術:坂口武玄
編集:鈴木晄
助監督:葛生雅美
色彩計測:舟生幸
特殊技術:日活特殊撮影部
現像:東洋現像所
製作担当者:岡田康房
音楽:かまやつひろし 林一
主題歌:「真珠の涙」田辺昭知とザ・スパイダース
主題歌:「赤いドレスの女の子」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「ヘイ・ボーイ」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「サマー・ガール」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「メラ・メラ」田辺昭知とザ・スパイダース
挿入歌:「波止場の花」田辺昭知とザ・スパイダース
協賛:日清食品
協力:パン・アメリカン航空
出演:田辺昭知 堺正章 井上順 井上孝之 大野克夫
シネマスコープ カラー 86分
1968年の夏の盛り、東京のある屋敷に四人の男が集められた。彼らはブザーを合図に決闘を行い、残った二人(アマゾンの譲次、上海の張)に任務が与えられた。その任務とは広島に落とされた原爆の8倍の破壊力を持つプルトニウム239を東南アジアの某国に届けることだったが、この物質には衝撃に弱いという弱点があった。そこで一週間後に世界演奏旅行へ出かけるグループサウンズのザ・スパイダースが使用するアンプに忍ばせて運ぶことになっていた。衝撃に弱いアンプは扱いに慎重であることと、バンドの楽器に税関が関心を持たないからだった。謎の声は、香港についたアンプからプルトニウムを取り出してマカオに運ぶ際、この計画にスパイダースが気づいた場合は直ちに抹殺せよと命じた。そして万が一任務に失敗した場合は死が待っていることを告げた。
国内の演奏旅行を終え、楽屋で帰り支度をしていたスパイダースだったが、ボーカルの堺正章が婚約者の田代悦子と離ればなれになるのが悲しくてとても遠征なんて出来ないと言い出したのだ。心配になった悦子はついて行くと言ったが、メンバーの井上順は帰ってきたらすぐに式を挙げるんだから我慢しろと諭した。表口も裏口も熱狂的なファンに埋め尽くされていることからボイラー室の裏に移動車を回していることをマネージャーから説明されて渋々従う正章。そんな彼を気遣う悦子は、退室時から食べ始めた正章の食べかけのバナナを取り上げ、みっともないからおよしなさいよと放り投げた。すると最後に階段を下りてきたリーダーの田辺昭知がそれを踏んで滑り足を負傷、緊急入院したのだった。世界演奏旅行まで一週間ほどあることと契約による国際的な信用が拘わることで延期は不可能なことから、香港での演奏のみ昭知の代わりに正章がドラムを担当することになった。
二カ月間の演奏旅行に出発したスパイダースはパン・アメリカン航空の香港行きの旅客機に乗り込んだが、彼らをぴったりとマークしていたのはあの二人組だった。そんなこととは知らない6人は宿泊するホテルに直行。ところが予約した部屋が続き番号だったのにも関わらず何故か真ん中の302号室にボーイが入れてくれないのだ。押し問答しているところへその部屋の住人であるリンダがやってきて快く代わってくれたことから、6人は彼女をご馳走に誘ったのだった。だがその途中でかまやつひろしが財布を忘れたことに気付いたため、悦子に手紙を書くという正章とともにホテルへ戻ることになった。302号室に入ったひろしはいきなり男に殴られたが、大声を出したため譲次の手下たちは何も出来ずに逃げ出した。その声を聞いて隣の部屋から飛び出した正章は男たちを捕まえることは出来なかったが、手引きをした張の顔をしっかりと記憶していた。部屋の中の物は何も取られておらず、ひろしの財布も無事だった。なぜ泥棒がアンプの蓋を開けたのか、二人は頭を捻るばかりだった。
屋台的映画館
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